車を売るからには、できるだけ高く売りたいもの。新しい車への乗り替えを検討している人は、買い替えの資金にもなりますので、高く買い取ってもらいたくなるでしょう。

「春に売ると高く売れる」「査定額が下がってしまう時期がある」などといった情報を目にすることもあり、いつ売ればいいの？　と迷ってしまうはず。

では、どのタイミングで車を売ることが、高額査定に結びつきやすいのでしょうか？

結論から、お伝えすると、「時期に寄って多少の違いはあるが、高く売れやすい時期まで待つメリットは無い」となります。

実際の査定データと共にご説明を致します。

【車を買う人が増える時期が高く売れる時期】

金額が上がりやすい時期とは、「車買取業者が、直ぐに車を売れそうな時期」です。

直ぐに売れないと、各車買取会社は、在庫リスクを抱えたり、業者専門のオークションに安く売ったりと多少リスクが伴います。「この車は直ぐに売れる！」という確信を持っていたり、「この車はあの顧客が探している」等の場合、他の業者が諦めてしまう様な値段でも買取をしようとします。

その時期とは、いつでしょうか。

1年のなかでも1～3月、9～10月になります。

この時期は、中古車を買う人が増える時期だからです。特に3月は就職や異動の時期。他の月と比べると、車を買う人がかなり増えます。車の最需要期の3月を控えた2月下旬ごろから、新車・中古車ともにどんどんと売れはじめます。

また、3月ほどの需要はないものの、9月も同様に中古車の販売が伸びる時期です。

ゴールデンウィークなどの大型連休で久々に車に乗ったところ、「もっと広い車のほうが快適だ」と感じ、「夏までには車を買い替えよう」と考える人が増えるため。こういった需要がお盆明けの9月あたりまで続くので、車を売る人が多くなります。

また、この時期はディーラーや中古車販売店の決算や半期決算の時期と重なります。ディーラーも新車の契約を取るために、下取りに積極的になってくれるだけでなく、車を購入する側にとっては新しい車を安く購入できる時期でもあります。

こういった時期的な背景により、1～3月、9～10月に合わせた車の売却がメリットにつながります。

【車種によっても高く売れる時期が変わる】

多くの人が所有するタイプの車ではなく、特徴や個性を持った車を売却する場合は、一般的な需要期の傾向とは異なるケースもあります。

たとえば、新たな生活がスタートする4月前後は、新社会人や免許を取りたての学生が卒業する時期でもあるため、人気の車種が高く売れる傾向にあります。

また、オープンカーは季節によって乗り心地が変わる車種のため、春や夏のシーズンに売却すれば高額で買い取ってもらえる傾向にありますし、おでかけする機会が増えるレジャーシーズンや雪が降る冬場には、パワーのある4WD車・SUV車の需要が高まります。

中古車販売店は需要を見込んで戦略的に車を販売しますので、これらの時期に売却すれば査定額が上がる傾向にあります。

【4月に入る前に売却するメリットには理由がある】

3月に車を売ることがメリットにつながるとされている理由は、自動車税も関係しています。

4月1日の時点で車を所有していると、毎年5月に届く納税通知書によって、自動車税を12ヶ月分前払いで納税しなければなりません。
納税後に車を売却した場合、買取店から未経過分の自動車税が月割で還付されるものの、納税のことを考え、4月に入るまでに車を売却する人が増えるのも事実です。

また、車の最需要期である3月末納車と入れ替えに入庫した大量の下取り車が市場に出てくるだけでなく、需要も落ち着いてくるため、4月以降は中古車が供給過多になってしまいます。その結果、中古車市場の相場が下落してしまうため、4月に入った後の売却は効率が悪いとされています。

【車の需要期の1～2ヶ月前には売却できる準備を】

たとえ車の売却に適した時期だとしても、所有車がすぐに売りに出せるコンディションかどうかわかりません。

また、買い取られた中古車が店頭に並ぶまでには、メンテナンスやクリーニングだけでなく、書類上の手続きも必要になるため、一定期間を要してしまいます。そのため買取店では、需要期の少し前に売却してもらうことを望んでいます。

需要が高まるシーズンの売却ばかりを考えるのではなく、買取店が在庫の確保に動く需要期の1～2ヶ月前に売却することも、高額査定につながりやすいポイントと言えるでしょう。

（※重要※）【高く売れる時期はあくまで目安として考える】

車は日を追うごとに古くなっていきます。時間が経てば経つほど、車の価値も下がってしまうことでしょう。春先はさまざまな理由により高額査定につながりやすいからといって、売却時期を伸ばすことは得策ではありません。

時期的な査定の傾向は、車の買い替えを検討している人にとっての参考情報として考えておきましょう。
値上がりを期待して売却時期を伸ばすのではなく、あくまで売却する際の目安として考えておくことをおすすめします。


下記に、当サイトでの具体例を記述します。
トヨタのアルファードの実際の査定額です。


ほぼ、同じ使用年数、走行距離、グレード、色のデータをハイライトして比較してみました。

上は、あまり車の乗り換え等の需要が少ない、１１月のデータです。下は引っ越し等が増えて来て、需要が高まると言われている、２月頃となっています。

傷の有無等状態や多少のオプションの違い等が有るのかもしれませんが、このケースでは、乗り換え需要が高まるといわれる、２月の売却で値段が上がっている事は確認出来ませんでした。
※参考データ（アルファードの査定金額一覧）
https://shauru.jp/kaitori/satei/alphard/

次に、三菱のデリカD2の実際の査定額を確認してみます。


こちらも、ほぼ同じデータをハイライトして比較してみました。

上は、１１月のデータで、これから冬に突入するため、デリカ等の四駆車の需要が高まる時期で、下は春になり、雪道が無くなり、四駆車の需要は冬ほどは無いといえる６月ごろのデータです。

こちらのデータでは、確かにこれから雪道等で重宝されやすい、１１月の方が値段が約１７万円～２７万円高く買い取りがされています。
※参考データ（デリカ:D2の査定金額一覧）
https://shauru.jp/kaitori/satei/delica-d2/


最後に、BMWの220iカブリオレの査定金額を確認してみます。


こちらも、今までと同様に同じ様な車のデータをハイライトして比較しました。

上は、１１月のデータでこれから寒くなる為、オープンカーの需要は下がる時期で、下は春になり需要が上がると思われる４月ごろのデータです。

同じ車では無いので、傷の有無等は関係している可能性はありますが、この２台は、１１月の方が走行距離が進んでいるにも関わらず、値段が高く取引されています。
※参考データ（BMWの220iカブリオレの査定金額一覧）
https://shauru.jp/kaitori/satei/220i-ca/


上記の事から、明確に「需要の高まる時期まで待てば、高く売れる」という明確な傾向は見られません。

季節や需要により、現場判断で値段の上下はあるかも知れませんが、無理にその時期まで待つ必要は全く無いと言えます。


確実に言える事は、走行距離や使用年数が進むと金額は下がって行きますので、やはり思い立った時に金額を知りたいだけでもいいので、査定依頼に出してみましょう。